四十肩/五十肩(肩関節周辺炎)

 

0.目次

 

  1. 一般的な話
  2. 医者でも分からない
  3. いつ治るのか不安
  4. 時期と治療方法
  5. 急性期
  6. 慢性期
  7. 前後方向の動きがつらい時
  8. 完治までにはそれなりの時間がかかります

 

 

1.一般的な話

 

四十肩・五十肩の正式な病名を「肩関節周辺炎」といいます。50代に多く見られるために「五十肩」と呼ばれるようになりましたが、最近では40代にも発症するようになったので「四十肩」と

いう呼び方がでてきました。

 

「肩関節周辺炎」は、一つの病名ではなくて、肩関節の痛みの総称名です。この中には、上腕二頭筋腱炎、石灰沈着性腱板炎、インピンジメント症候群など診断名がつく場合もありますが、ほとんどは診断がつかずに消去法で四十肩・五十肩(以下、五十肩)と診断されるのが現状です。

 

 

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50歳前後になるとたいていの方は、症状の大小はあるものの、肩の痛みを感じます。そして、しばらくしてからある時、急に痛みを感じなくなります。この理由は解明されていません。痛みがでてから消失するまでの期間は、3か月から2年と言われており、かなり個人差があります。

 

 

2.医者でも分からない

 

整形外科や接骨院では五十肩の治療は、あまり得意ではないようです。昨年、整形外科のドクターの講義を受けた時に、そのドクターは自分の五十肩の原因が分からなかったと正直に話されていました。

 

 

原因がわからないのですから、対処療法しかありません。ブロック注射や関節内注射で痛みをとりながら、リハビリ(運動療法)をするのが保険治療では一番良いのではないかと思うのですが、しっかりとリハビリをしてくれる整形外科は少ないものです。整形外科や接骨院に通院しているのになかなか改善傾向がみられず悩んでいる方は多いです。

 

 

3.いつ治るのか不安

 

五十肩は動かすことが大事だと思い、ご自身で一生懸命運動している方も多いのですが、やはりなかなか良くならないようです。

 

五十肩はいつか自然に治るだろうと思っているが、この痛みがいつまで続くかわからないので不安になりますし、また日常生活を送るのに大変不便ですから、何とかしたいと思い最終手段!?として、整体や鍼灸の可能性にかけて当院を訪れるのです。

 

 

4.時期と治療方法

 

五十肩は、時期によって症状が異なり、治療方法は異なります。

 

5.急性期

 

最初は急性期ですが、じっとしていても痛みがでることがあり、動かすことが出来ません。ただし、急性期がない方もたくさんおります。

 

 

軽い振動でも強烈な痛みがあったり、夜は痛みで寝られないことがあったりします。強い炎症が起きていますので、いかに炎症を抑えるかが大切です。

 

 

整形外科では、注射で炎症を抑えると3日くらいは楽になります。これを繰り返し行いますが、注射の回数に制限があったり、注射自体が痛かったりするので大変です。

 

 

当院では、炎症を抑えるツボを鍼で刺激します。このツボは肩ではなく手や背中にあるので、炎症がある肩は刺激しません。また、首のこりが関係していることが多いので治療します。

 

 

また、インディバ(高周波温熱機器)は炎症を抑え、組織の回復を早める効果が期待できます。繰り返し治療することで、痛みがだいぶ楽になります。

 

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この時期の炎症を最小限にすると、この後の慢性期の期間が短くなります。急性期は痛いので触れられるのも嫌だと思い、安静にされている方が多いですが、この時期に適切な施術を受けると後が楽なのです。

 

6.慢性期

 

つぎの段階は、慢性期です。動かせるようになってきたけれど、動かすと痛い状況です。この段階で来院される方が多いです。まずは、単純な動きができるように治療します。

 

7.前後方向の動きがつらい時

 

前後方向の動きで痛みが出る場合、当院ではまず腰の外側のコリを疑います。コリがあると、腕を前から上げるときに、ブレーキがかかるので、肩の筋肉に負担がかかり疲労しやすくなり、固くなって痛みがでるのです。

 

 

例えば、シャツの腰の部分を下にひっぱったまま腕を前から上げようとすると、上がりづらいのが分かると思います。同じような現象が体の中に起こっていますが、引っ張られているという感覚はありません。ですので、腰のコリをとり、そして肩のコリをとると、とても楽になります。

 

 

また、ふくらはぎの筋肉とも関係があります。簡単なテストで分かります。電話帳くらいの厚さの物を肩が痛い方の足で踏みます。膝を軽く伸ばしてから腕を前から上げてみて、楽に動せるようでしたら、ふくらはぎのコリが影響しているかもしれません。このように、肩を前方から上げるという単純な動きでさえ、原因はあちこちにたくさんあるのです。

 

 

8.完治までにはそれなりの時間がかかります

 

肩は複雑な動きをするので、完治までには時間がかかりますが、本当の原因を見つけ出して、治療することが治る近道と言えます。

2017年1月13日 | カテゴリー :