腰痛

0.目次

 

  1. はじめに
  2. ためしてガッテン
  3. 腰痛の原因は「脳」!?
  4. もう一つの腰痛の原因
  5. 腰痛と股関節
  6. シーベルズ大磯の腰痛治療

 

1.はじめに

 
私が一番多く治療をした症状は、「腰痛」でしょう。腰痛は、国民の8割が一度は経験するといわれている国民病です。これだけ医学が進歩しているのに、腰痛の人は減るどころか、増えているような気がしてなりません。しかし、私の治療における腰痛の改善率は、自分で言うのも何ですが、なかなか良いと思います。なぜ、医者が苦労している腰痛を、私のような鍼灸マッサージ師が良い結果をだすことができるのでしょうか。 
 
 

2.ためしてガッテン

 
この番組をご覧になられている方は多いのではないでしょうか。2012年の11月に腰痛が特集されていましたが、なかなかインパクトのある回でした。それは、「腰痛の85%が原因不明」という事実を医者が伝えていたからです。腰痛の主犯と考えられていた椎間板ヘルニアはたったの5%程度で、その他画像で診断できる圧迫骨折など(脊柱管狭さく症も含む)が9%程度、およそ1%が腫瘍(ガン)など症状が深刻なものだそうです。
 
 
 
整形外科で「軽いヘルニアです」と診断された人が多いと思いますが、実はそれは腰痛の真の原因ではなく、本当は原因不明なのかもしれないと国民的番組で発表したのです。
 
 
 
このようなことは以前から知られておりましたが、これは整形外科の常識を覆すようなものですから、まだ一般的ではないかもしれません。しかし、整形外科が行っている現在の治療方法(低周波、ホットパック、牽引、湿布など)では、腰痛は一向に改善していない事実があるのも確かです。
 

3.腰痛の原因は「脳」!?

 
ためしてガッテンでは、原因不明の正体を「脳(ストレス)」であると紹介していました。原因不明の腰痛患者の脳血流量を調べところ、7割の人が健康な人に比べて血流量が低下していた(脳の活動が低下)ということが分かったのだそうです。特に活動が低下しているのは、脳の「側座核(そくざかく)」という部分で、ここの働きは痛み信号が脳に届くと、鎮痛物質を働かせます。これによって脳は大きな痛みを自動的に抑えていたのです。
 
 
 
ところが慢性的なストレスを受けると、側座核の働きが低下し、鎮痛物質に命令がいかないので、痛みが抑えられず、激痛を感じてしまうのです。ストレスが痛みの原因を作るのではなく、小さい痛みを強めて激痛を生み出すことが分かってきたということです。
 
 
 
番組では、寝たきりになるほどの腰痛があった60代の主婦が、家事ができるまでに回復した症例をあげていましたが、おもしろいことに、回復したきっかけは、「子犬を飼った」ことでした。子犬にエサを与えたり、世話をしたりすることで、痛みを考えることが減り、それがストレスを軽減させ、側座核が再び活性化したことで、脳の鎮痛システムが再び動きだしたのではないかと推測されていました。
 
 
 
側座核は、快楽と強く関連する場所なので、自分の好きな食べ物や音楽、においなどを積極的に取り入れることで、働きがよくなるそうです。ですから、腰が痛いから、家に閉じこもって痛みに耐えるのではなく、出来る限り自分の好きなことをしたり、考えたりすることが、腰痛の改善になりますよ、ということで番組が終了しました。
 
 
 
ストレスが腰痛を増幅させることは、東洋医学の世界では大昔から分かっていましたが、最新の脳科学でストレスと痛みの関係を説明できるようになったというのは大きな進歩だと思います。
 

4.もう一つの腰痛の原因

 
腰痛の原因で、ストレス以外に大事なことが抜けていると私は思います。それは「筋肉(細かく言うと筋膜という表現になりますが、ここでは全て筋肉とします)」です。
 
 
 
ためしてガッテンでは、「『筋肉のコリ』などは、明確な原因として特定できないために、原因不明の85%に含まれている」と紹介されていました。
 
 
 
しかし、私は腰痛の原因を、「筋肉のコリ+ストレス」と仮定して治療しており、成果をあげております。筋肉が凝ると血流が悪くなり、痛みを出します。筋肉が凝る原因の多くは使いすぎですが、転倒や打撲をして筋肉が急に引っ張られたりぶつけたりした時の後遺症ということもあります。私が「使いすぎが原因です」というと、多くの人が「そんなに動いていないのに」と答えます。これは、使いすぎ=積極的に動く、ということを想像しているからです。この場合の使うというのは、体を支えるということです。
 
 
 
 
例えば、椅子に座っているという姿勢でも筋肉を使っています。筋肉を使わなければ座れません。その上、姿勢が悪いとなるとその姿勢を支える為にたくさんの筋肉が使われます。この時の筋肉は、伸び縮みしないで固定された状態で力を出しています。筋肉は伸縮することで、筋肉の中の血管がポンプのような状態となり、血流をよくしているのですが、固定された状態ですと、血流も悪くなり、すぐに疲労してしまうのです。ですので、不良姿勢+長時間の同じ姿勢により体を支えるために筋肉を使い続けていることが筋肉のコリの大きな原因なのです。
 
 
 
また、ストレスと自律神経の関係はよく知られています。ストレスが高まると、自律神経の交感神経が高まり、血管が収縮しますので、血流が悪くなります。筋肉にコリがあるところは、元来血流が悪いのですが、そこにストレスで血管が収縮して細くなると、さらに血流が悪くなり痛みを出すということです。現代社会では、体は動かないで、脳ばかり使うようになっていますから、積極的に自ら対策を打たないといけないと思います。自分の体は自分で守らなければなりません。
 

5.腰痛と股関節

 
2012年の2月ためしてガッテンでは変形性股関節症について放送されていました。痛みがでる場所は、股関節とは限らず腰や膝や足などにでるので、腰痛の真の原因は股関節の場合があるということでした。
 
 
 
対応策としては、負担がかかりやすい場所なので姿勢を良くしましょう、ということと、貧乏ゆすりをすると減った股関節の軟骨が再生される可能性があるとのことでした。貧乏ゆすりの効果は私も初めて聞きました。
 
 
 
股関節の軟骨も大切なのですが、やはりここでも重要なのが、「筋肉」です。私の指圧を受けた方は分かると思うのですが、私は腰痛持ちの方には必ず、股関節(お尻)の筋肉をしっかりほぐします。皆さん、「そんなところも凝っているのですね~」と顔をしかめます。それだけ股関節の筋肉は凝っている人が多いのです。腰と股関節は非常に密接に関係があるので、腰痛の治療には欠かすことができません。
 
 

6.シーベルズ大磯の腰痛治療

 
鍼治療は、筋肉を緩める効果がありますし、また脳内から鎮痛物質を出すことが分かっています。指圧マッサージでは、硬くなった筋肉を揉みほぐして柔らかくしますし、リラクゼーション効果も期待できます。整体(活法)では、患者自身に動いてもらいながら、腰だけでなく身体全体の筋肉バランスや動きの連動を整えていきます。
 
 
 
そして、運動指導です。具体的な体操を指導することもありますが、基本どんどん動いて下さいといっています。ただし、痛みのでない範囲でというのが条件です。運動中に痛い、もしくは運動直後か翌日に痛みがでる場合は、やりすぎかやり方が悪いかで筋肉に負担がかかりすぎています。
 
 
 
腰痛には運動がよいからといって、つい頑張りすぎてしまうのです。運動中は一時的に血流がよくなるので、痛みが楽になるのでついやり過ぎてしまうのですが、その反動で痛みが後に出てきます。これを我慢して繰り返していると、だんだんと痛みを感じなくなってしまうのです。そうなるといつの日か、ドーンと強い痛みが来てしまうこともあります。痛みは、危険信号であるということを忘れないで、楽しく体を動かしてもらいたいものです。
 
 
 
自分の体は自分で守ると言いましたが、それは自分だけで解決するということではありません。それができればベストですが、専門家と一緒に腰痛の改善を模索するほうが、良い場合も多々あります。しかし、その専門家を見つけるのが難しかったりするのですが・・・。腰痛は確かに簡単ではありませんが、多くの人が少しでも改善されるように臨床と研究を繰り返す毎日です。
2015年12月8日 | カテゴリー :